自然にアドリブ

レシピは、味つけした生のトマトとパン粉でパスタを和えるという、いたってシンプルなもの。失敗するはずがない。ところが、いざ作ろうとしたところ、エンジエルヘアパスタがない!そこで、代わりにペンネを使うことにしました。次に、トマトを取り出そうと冷蔵庫を開けると、これもまた使いきってしまっていた!そこで、赤ピーマンを刻んで入れました。いくらなんでもパン粉はあったはず、と思っていたのに、どこにも見当たらない!そこで、クルトンを少し入れてみました。できあがったのは、全く別の新しい料理でしたが、それはそれで、おいしかったとか。これこそ、まさに、料理の発想と方向性を教えてくれる、おうちごはんにピッタリのレシピです。「あり合わせの材料で作ればいいのです。レシピに書かれた材料の中で、何か足りないものがあったら、その行を飛ばして、次の行に進んでもかまいません」と料理研究家のジュリアンも言っているではありませんか。お料理は精密な科学の実験ではありませんから、時には手順や材料を変更するもよし。料理の最中に自然にアドリブがきくようになれば、しめたものです。お金をかけるべき食材もあるボストンのフードライターのサラは、少ない予算でもおいしい料理を作るように心がけています。「長ーいレシピの最後に、ウォルナッツオイル大さじ一って書いてあるときなんかは、ほんとに困っちゃう」とサラは言います。